RAKSUL TechBlog

ラクスルグループのエンジニアが技術トピックを発信するブログです

「HackWeek2023 」イベントレポート

こんにちは、ラクスル広報の和田です。
2023年8月21日~25日に社内ハッカソンイベント「HackWeek」を開催しました。

今年のテーマは ”Upgrade Ourselves”
通常向き合っている開発とは異なり、私たち自身の生産性向上・進化に焦点を当て、アイディアだけで終わらず、実際に活用されることまでを想定したプロダクト開発を目指します。

エンジニアの視点から生まれるであろう独創的なアイディアを再考し、具体的なプロダクトとして活用されることにフォーカスしたテーマになりました。

本記事では、HackWeek開催期間中の企画内容や最終日の成果発表会・表彰式に至るまで、イベントの裏側をご紹介していきます。

※昨年度の様子はコチラ

昨年度受賞チームからのエール

HackWeek開催前の8月18日に前夜祭を開催しました。

この前夜祭では、昨年CREATIVE AWARDを受賞したチームとTECHNICAL AWARDを受賞したチームのそれぞれの代表者が振り返りのLTを行い、開発プロセスや学び、反省を通じて得た洞察を共有し、今年の参加者にエールを送りました。

HackWeek2023 カウントダウン

今年もイベント開催の7日前から、Slackで全社横断のカウントダウンリレーをスタート!

「ラクスル」をはじめ、ラクスルグループの「ノバセル」「ハコベル」「ペライチ」のチームもカウントダウンに参加し、一体感が生まれました。

限られた時間での全力開発

参加者たちは、第一日目から最終日まで、限られた期間内でアイデアを具現化し、プロジェクトを完成させるため、解決すべき課題の洗練からアイデアの醸成、そしてプログラミングまでの一連のプロセスに全力で取り組みました。

限られた時間の中で、成果を上げるために数多くのチームがミーティングスペースで開発を実施していたためオフィス全体は熱気に包まれていました。

事務局からもエール

充実した一週間を過ごしてもらうため、事務局からも差し入れ企画を用意しました。

  • 終 日:クラフトビール
  • 月曜日:お菓子
  • 火曜日:コーヒー
  • 水曜日:カスタマイズカレーランチ
  • 木曜日:エナジードリンク
  • 金曜日:おにぎり

多様なチームが挑んだ成果発表会

ハッカソンの締めくくりとなる成果発表会では、全20チームがオフライン会場とオンライン配信のハイブリッド形式で集結。

開発テーマは、ユーザーエクスペリエンスの向上、プライシング最適化と自動化、内部ナレッジのアクセシビリティ向上、GraphQLの最適化など多岐に渡りました。

短期間で魅力的なプロジェクトを完成させ、その成果を発表した各チームの高い完成度にパブリックビューイングをしていた会場と配信ルームは終始歓声に包まれていました。

左:CPO 水島 中:ノバセルCTO 戸辺 右:ラクスルCTO 岸野 
発表を控えるチームのSlackチャンネルでは、緊張する発表者にメンバーがスタンプで応援する様子も。 ※写真はペライチ社イベントレポートより拝借

優れたプロジェクトを讃える表彰式

今年はINTERN、UNIQUE、FEASIBILITY、TECHNICAL、CPO、UPGRADEといった6つの異なる観点から、最も優れたプロジェクトが表彰され、参加者たちはその努力と創造性を讃えられました。

INTERN AWARD
 ”ダンボールアンチーム”(インターン)

ノバセルCTO 戸辺のコメント
今回はChatGPTを利用しているチームが多かったのですが、そのなかでもChatGPTと単発のやりとりだけでなく対話型でユーザーのほしいものにたどりつく設計がよかったと思います。
比較的新しめ機能である Function Calling を使うことにより、難しいTuningをすることなく、データ検索とAIを組み合わせるアイデアが素晴らしかったです。また、ノバセルの得意な技術と、ダンボールワンのデータの連携ということで、事業部を超えた連携も素晴らしかったと思います。新しく触れる技術が多かったにも関わらず、最終的にしっかりと動くところまで作り上げてきたところを評価しました。改めて、おめでとうございます。

UNIQUE AWARD

"CSマトメルチーム"
 

CIO 仲田のコメント
オペレーションとの統合によって価値が生まれるという点が、多くの人から評価されて投票されたように思います。 CSが抱える電話対応時の内容要約したり、録音音声を確認して過去の対話を把握したりするという業務の辛さを、Speech to Text と ChatGPTのText要約という最近進化が著しく、精度も高くなった技術を活用して解消するという内容で、現場解像度の高さが伺えました。また、CSの方からもこのまま導入できそうという声も上がるほどのレベルで、その実現度はまさにラクスルのビジョン「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」を体現する素晴らしいものでした。皆様、おめでとうございます。

FEASIBILITY AWARD

”ペライチクリエイトアシスタントチーム”

ラクスルCTO 岸野のコメント
今回、全体的に完成度が高く、受賞候補チームがたくさんありました。実際に実用化までを目指して開発しているチームが多かった印象です。結果としても投票も割れてかなり僅差でした。そんな激戦を勝ち抜いたのはペライチのペライチクリエイトアシスタントチームです。
投票コメントでは、作りたいサイトの情報を入力したらすぐにサイトとして使えると言うところまで作り上げていた点が評価されていました。誰でもすぐにホームページを公開できるという価値をUpgradeしている取り組みだったんじゃないかと思います。皆様、おめでとうございます。

TECHNICAL AWARD

”Novelty Editor Realtime Video Previewチーム”

ラクスルベトナム社長 泉田のコメント
多くのチームが最新技術を活用しましたが、最終的には最も現実的なユーザー体験を実現したチームが受賞しました。
事前にプリントされた商品(Tシャツ)の着用イメージを確認する場合、実店舗へ行くことが一般的です。しかし、マスカスタマイジングECプラットフォームで提供し、購入前に確認できるようにすることで、具体的なイメージを持つことができる革新的な開発が行われ、非常に多くの評価を受けました。3Dデータの作成は大きな課題となっており、ここ3年間ではDanball Oneの3Dエディタしか製品化されていませんでした。世界的なマス・カスタマイジング市場、特に新興国市場での成功には、3Dプレビューが大きな役割を果たすと思います。このコンセプトが今後他のプラットフォームでも広まることを楽しみにしています。

CPO AWARD

”EoL Trackerチーム”(インターン)

CPO 水島のコメント
テックカンパニーを体現したチームに送られる賞であり、私の独断と偏見による選出予定でしたが、結果として得票数が高かったチームが受賞しました。 また、インターン部門でも2位に輝きました。
「EoL Tracker」というプロジェクトは、開発者たちが必要とするアイデアを具現化していました。オープンソースソフトウェアとして世の中にぜひ公開したい。この取り組みは社外のエンジニアから感謝され、模範とされるものであり、まさにテックカンパニーの姿そのものです。
ラクスルは顧客向けの事業開発において得意を発揮していますが、今後はこうした価値ある取り組みをさらに増やしていきたいですね。

UPGRADE AWARD

”サチエル/ In-house knowledge Botチーム”

CPO 水島のコメント
今回のテーマである「Upgrade Ourselves」に最も適したチームに送られる賞です。 これは私自身のお気に入りのアイデアでもありましたが、このチームは高い完成度のデモンストレーションを行い、明日からでも実際に利用できる、そしてユーザーのフィードバックを受けながら進化させていけるプロダクトを作り上げました。
これはまさに私たちの日々の働き方を変え、アップグレードしてくれるようなインパクトを持っています。この取り組みが長期的に組織の生産性を大きく向上させる可能性を秘めていると思います。注目すべきは、CorpTechとノバセルの混合チームが協力して取り組んだ点です。 この協力がグループ全体の進化に貢献し、素晴らしい成果を生み出しました。

さいごに

今年のHackWeekも、参加者が新しいアイデアを生み出し、実用的なプロダクトを開発するための貴重な機会になりました。何よりラクスルグループの多様なチームが集まり、異なる視点から課題に取り組むことで、革新的なアプローチと解決策が生まれたため、シナジーを最大限に活かしさらなる成長を目指すラクスルグループらしいハッカソンイベントだったなと感じています。

参加したメンバーからは、常に新しいアイデアや実装に時間を割くべきだとの意見や、業務では難しい挑戦に取り組む機会としてHackWeekの価値を高く評価する声が多く寄せられ、アイデアの発表やコーディングの挑戦、クリエイティビティの促進、実用的なプロダクトの開発など、多彩な魅力に言及する声も多かったです。

事務局の私も、開発メンバーのワクワクや興奮を肌で感じ、充実した5日間を過ごせました。
シンプルに楽しかった・・・(笑) 参加者の皆さん本当にお疲れ様でした!
そして、HackWeek後、今回取り組んだプロダクト開発がこれからも会社を前進させていくことを楽しみにしています。