RAKSUL TechBlog

ラクスルグループのエンジニアが技術トピックを発信するブログです

何を思って地域テックコミュニティを立ち上げたのか振り返る

こんにちは。目黒付近の会社で働いているエンジニアの星野です。

この記事は めぐろ LT のアドベントカレンダー 25 日目の記事です。

参加者の皆さん、たくさんの寄稿ありがとうございました!!

めぐろ LT は「ラクスル」という会社のイベントではなく、「めぐろ 100km 圏内の会社持ち回りで開く LT イベント」という地域コミュニティとして開催しています。

2022 年に「コロナも落ち着いてきたし、リアル開催イベント開きたいなー」と社内でつぶやいたらあれよあれよという感じで「めぐろ LT」というコミュニティができ、いつの間にか所属関係なく毎度 50 人近くの方が参加してくれる会に成長することができました。

一年の振り返りに、この記事では「発足させた時に何を思ったのか」「コミュニティを運営しながらどういうことを考えたのか」ということを思い返して綴りたいと思います。

めぐろ LT をどうして立ち上げたいと思ったのか

最初にめぐろ LT という地域コミュニティを立ち上げるとき何を思っていたのか、振り返ろうと思います。

以下の弊社の和田がめぐろ LT を立ち上げたいと言った時の背景を別の記事でまとめてくれてました

エンジニアコミュニティの立ち上げから 1 年、定期開催までの軌跡

そこでは「最初にやろうと思った動機」について

  • 業界の最新動向や技術トレンドに追いついていたい
  • 自身のスキルや知識が取り残されていないという安心感を得たい
  • 個々の成長やキャリアの発展をサポートする場がほしい

だったということに触れられています。

もともと社外のコミュニティにごくまれに顔を出すくらいの頻度で参加していたのですが、コロナ禍で社外エンジニアとの交流が少なくなり

  • チーム外のエンジニアと関わる機会がほとんどなくなる(意図的に場を作らないと社内の別チームのエンジニアともほとんど関わらなくなる)
    • コミュニティがあったときは、同業者のプレゼンテーションや会話の中で自分のスキルの程度をある程度測れたり、自チームや会社が扱っている技術や体制がトレンドに遅れていないかのようなセルフチェックができていたが、その機会が失われた
    • 特に新卒メンバーは自チームだけでエンジニアとの関係が完結すると、そのチームにいる先輩のスキル傾向によって成長にキャップがかかりうる。(本人はサーバーサイドが好きだけど先輩がフロント好きで、自分の望む領域を得意分野とする人がいないなど)

というのを考えていました。

何かを知れる知れない以前に、チームという小さいコミュニティ(5 人? 10 人?)だけにしか所属していないのって、将来を考えたときに単純に不安なのではないか。いかに素晴らしいチームに所属していたとしても、世の中を見渡せないので自分が良いチームにいるのか、そうでないのかすら観測できずモヤモヤを抱えることもあるのではないか。というように疑問を持っていました。

企画を始めた当時、チームリーダー的な立場にあり、以下の理由で地域コミュニティはメンバーの意欲向上や離脱リスクの低下にならないか考えていました

  • どんなにチームを良くして行っても、このような「わからないから不安」という感情はチームそのものの改善ではなくしていくのは困難
    • 一方で個人としてこの不安や問題を解決するのは簡単で、転職を繰り返して自分に合ったチームを見つければ良いだけ
  • エンジニアの需要がどんどんと高まり、転職市場の活動も盛んになっていくような気配が当時あった

上記理由があり、社内で LT 会を発案した時「ラクスル単体の LT イベントではなくぜひ地域コミュニティとして広げていきたい」ということにこだわりました。結果、より広い人たちが集まりやすい会を作れたと思っています。

運営しながら感じたこと

とはいえ上記したことは、コミュニティ活動の副次的な効果です。実際のコミュニティ運営としては

  • コミュニティガイドラインなどを作る
  • 社内で開催した後に振り返りを行い次回に活かす

など、一般的なイベント開催とそう変わりない活動に集中しました。共催を増やして行ったりイベント自体を改善していくことに繋がりよかったなと思っています。

共催の企業を集めるにあたっても、上記のような話はあまりせずテック系の LT イベントであること以外の縛りは少なめで、各社持ち回りの会ごとに運営はお任せしました。結果、会ごとに違う色が出て、飽きない作りになったのではないかと感じています。各社の会を開く目的は様々だと思いますので、ブランディングなりメンバーのスキルアップであったりと、目的設定も各自で行え共催しやすくもあったのかなあ思っています(なっていたら嬉しいです)

また一方で、本アドベントカレンダーの1日目の記事

技術イベントが社内にもたらした変化と効果 | Racoon Tech Blog

で言及されているように、地域コミュニティに参加したことでチーム強化を実感してくれた方々がいたり

社内メンバーも SNS などで「コミュニティ活動は、学びをチームに持ち帰れるのが良い」といってくれたりなどもともと自分が狙っていたことが形になっていくのが何回か観測でき、裏でほくそ笑むなどしていました。

めぐろ LT 参加者でもあり、他のコミュニティにもよく参加するうちの若手が以下のようなつぶやきを Slack でしていました。

自分が思っていることが端的にまとまっているし、こう感じている人が増えていくことがめっちゃ嬉しかった一年でした。

まとめ

こういった会で持ち帰ったものがチームの改善活動に取り込んでいける下地があることなどの前提での話を主にしましたが、そうでなかったとしても「チームがうまくいかない」などの話をチーム外にして、同じように悩んでいる人や、そこを乗り越えた人などを見つける機会にもなりうるかなと思っています。

また、主催・共催したい側にとって「なぜ LT コミュニティに参加するのか。既に自社で行っているテックブランディングに比べてそんなに効率的でないのではないか」とつっこまれたときの切り返しとして「実は社外の人に対するテックブランディング以外に、社内を強くするチームビルディングでもあるんだ」という切り口だと開催意義を説明しやすくなるのではないでしょうか。

めぐろ LT は共催企業さんを募集しているとともに、このようなテックコミュニティが広がっていけば良いなと個人的に思っています。これから地域コミュニティなど作っていきたいと考えている方の一助にこの記事がなれば幸いです。