RAKSUL TechBlog

ラクスルグループのエンジニアが技術トピックを発信するブログです

エンジニアコミュニティの立ち上げから1年、定期開催までの軌跡

この記事は「技術広報 Advent Calendar 2023 シリーズ2」15日目と、「めぐろLT Advent Calendar 2023」16日目の記事です。

こんにちは。ラクスル技術広報の和田です。
ちょうど1年前の12月、社内外のエンジニアが集い、技術的な交流を目指すエンジニアコミュニティ「めぐろLT」が誕生しました。
今やcompassに登録いただいているメンバーが260名を超え、共催企業も7社に拡大。12月18日には10回目の開催を控え、参加者数が予想を上回る大盛況となっています。

今回は、非エンジニアの私がどのようにしてエンジニアコミュニティの運営を推進してきたのか、「めぐろLT」の立ち上げから定期開催までの軌跡を振り返ります。

はじめの一歩

「めぐろLT」のはじまりは、ノバセルエンジニア星野さんからの1件のSlackでした。

星野さんとCCOのゆるっとしたやり取り(笑)

当時、星野さんのメッセージには下記のような意図がありました。

  • 業界の最新動向や技術トレンドに追いついていたい
  • 自身のスキルや知識が取り残されていないという安心感を得たい
  • 個々の成長やキャリアの発展をサポートする場がほしい

特にジュニアメンバーにとって大切だと考えていると熱く語る星野さんの姿に触発され、このようなニーズに応えるためには、単発のイベントを実施するのではなく、定期的に機会を提供し続ける必要があると考えました。
これに共感したCCO(Chief Culture Officer)の大きな後押しもあり(上記のような 笑)、定期開催を念頭に置いた「めぐろLT」を立ち上げました。

立ち上げの鍵

期待を超える参加者・共催企業の反響の裏側には、ポイントが二つあったと考えています。

①コミュニティのコンセプトと目的の整理

コミュニティの立ち上げに至った後に、コンセプトと目的をまずは整理しました。 これにより、社内のメンバーをはじめ、イベントの参加者がコミュニティの方針や目指す方向性を理解しやすくなりました。私たちの願いは、エンジニアが気軽にアウトプットできる環境やチャレンジを支援し、このような環境が将来的には技術コミュニティ全体の成熟と発展に寄与することです。これらの想いが多くの参加者や企業に共感され、現在は共催企業の7社とラクスルの各社持ち回りで、毎月「めぐろLT」を開催しています。

コンセプト

  • オープンで協力的な雰囲気を醸成する
  • 気軽に意見やアイディアを発信できる場を提供する
  • 異なるバックグラウンドや専門性を尊重する

目的

  • 最新の技術情報や業界トレンドにアクセスしやすく、気づきや学びを得られる環境を提供する
  • 外部へのアウトプットを望みつつも、その機会が得られなかったエンジニアに新たなチャンスを提供する 
  • 知識の共有と交流を通じて、メンバーのキャリアの発展と個々の成長を支援する
②雰囲気の醸成

▼初回イベントの概要 
テーマ:「初めてLT」
資 格:外部登壇が初めて、またはそれに準じる人
形 式:発表時間5分、Q&Aなし

初回イベントの概要を検討する際に、外部登壇が初めてでも気軽に参加できる心理的なハードルが低いテーマ設定や資格であることに重きを置きました。
テーマや資格に初心者向けの要素が組み込まれたことで、初めて外部登壇を考えるエンジニアたちにとって、参加するハードルが低く、多くのエンジニアが積極的に参加しやすくなりました。
初回イベントから、「やってみたい」という挑戦ができる場として認知され、テーマを変えても新しい顔ぶれが積極的にLTに参加できる雰囲気が醸成されていきました。
会を重ねるごとに、参加者間で挑戦の意欲が育まれ、今では初登壇が「めぐろLT」です!という声をたくさんいただいています。

初登壇を果たしたラクスル新卒のふたり。懐かしい☺

技術広報の役割

1年を振り返り、技術広報としてコミュニティの発展において大切だったなと思う要素がいくつかあったため、私自身の視点で整理してみました。

①方向性を示し続けること

コミュニティが成長するにつれ、様々なメンバーやアイディアが加わります。この時、基本的な目的を忘れず、新たな要素がそれに合致するかどうかを確認し、運営の一貫性を保つことは、アイデンティティの維持にも重要です。これが守られることで、共鳴する共催企業との関係強化にもつながっていると感じています。

②透明性を保つこと

コミュニティの活動を社内外に定期的に発信することで、社内で協力を得られるだけでなく、参加者や共催企業の理解にもつながります。実際に、イベント開催日が決まったら、参加を促すPRだけでなく、リーダー陣やメンバーとのカジュアルな会話の中でイベントの舞台裏や登壇メンバーの活躍を積極的に共有することで、自主的にお手伝いを申し出てくれるメンバーが現れたり、リーダー陣がメンバーの登壇を評価していたりと、透明性が良い結果を生んでいます。

③問題解決と改善の推進

予測不可能な問題が生じた際、積極的に解決策を提案し、改善に努める姿勢が求められます。コミュニティにおける問題は、その都度、持続可能な運営のために必要な調整を専門部署と協力して行い、解決策を提案・推進していくことで、社内の協力関係が一層深まっていきました。エンジニア組織以外とも連携し、問題解決のための努力が、コミュニティの信頼性を高め、円滑な運営につながっています。

④エンジニアとの連携

エンジニアが技術的なリーダーシップを発揮し、技術広報がサポートを担当することで、コミュニティは技術的な視点と組織的なサポートがバランスよく機能します。 私はエンジニアが得意な技術領域以外で、コミュニケーションや組織サポートの分野でメンバーをサポートしています。お互いの強みを最大限に生かし、共にコミュニティの発展に向けて協力することで、強力な連帯感が育まれています。

いつもありがとう!🙏

おわりに

「めぐろLT」と共に歩んだ1年間は、挑戦の連続でした。コミュニティが成長する中で、答えをもっていない、経験したことがない壁に何度もぶつかりました。そんな時、世の中には技術広報視点の情報がまだまだ不足しているなと感じました・・・
幸いにも、私はエンジニアたちをはじめとするメンバーの協力のおかげで、ここまでの道のりを歩むことができましたが、このブログが未来のコミュニティ運営者たちにとって役立つヒントになったら嬉しいなと思っています。
これからも「めぐろLT」はエンジニアたちの交流と成長の場として、新たな可能性に挑戦し続けます。これからのイベントもお楽しみに!