はじめに
先日ラクスルのインターンに参加した芦沢と申します。この記事ではインターンシップの感想や学びを振り返り、私の経験を共有したいと思います。
インターン概要
インターン名:課題解決型インターンシップ
期間:5日間
報酬:10万円
形式:ハイブリッド(最初の2日はオンライン、3日は出社)
内容:興味のあるテーマを選択し、4~5人でチームを組んで開発を行う
私たちの開発について
テーマ
私のチームは「注文データから顧客ロイヤルティを可視化するプロジェクト」に取り組みました。具体的には、顧客の注文データをもとにロイヤルティを分析し、特定の顧客層に対する効果的なリテンション施策を提案するためのツールを開発しました。
エンタープライズ事業部のビジネス側担当者をユーザーとし、一からデータ分析ツールを作成する中で、さまざまな課題に直面しましたが、チーム全員が一丸となって取り組むことができました。
ヒアリング
エンタープライズ事業部のビジネス側担当者が直面している課題や求める情報について把握するため、メンターに協力を仰ぎ、ビジネス側担当者とのヒアリングの場を設けていただきました。
現状では、BigQueryを用いてデータ管理を行い、スプレッドシートを使用して表やグラフを作成している状況でした。担当者によって取り扱う企業の規模や業界が異なるため、それぞれが必要とする情報も多様でした。その中には、自らSQLを記述してデータを分析している方々もいらっしゃいました。
課題
ヒアリングの結果、課題として以下の点が浮かび上がりました。
1. 顧客の購買行動の分析が不十分
顧客の購買データは存在するものの、十分に活用した分析が行われていないため、データを効果的に活用できていない。
2. 必要な情報の選定が難しい
SQLを自分で書く必要があるため、自分の担当外のデータの中から必要な情報を見つけ出すことが困難であり、結果として効率的なデータ分析が難しい状況。
何を作るか
これらの課題を解決するため、私たちはBIツールとしてのデータ分析ツールを開発することに決定しました。表示するデータの選定とその可視化方法については多くの議論を重ね、最終的に以下の内容を表示することにしました。
- 売上の予測
- 業界別の傾向分析
- 購買された商品カテゴリの傾向
- 各企業での活用割合
どのように
ツールの実装には以下の技術を使用しました。
1.Streamlit
フロントエンドの経験者が少なかったため、フロントエンドに注力せずにアプリ開発を行うため採用しました。
2. Plotly
動的なグラフ作成が可能なPythonライブラリで、使いやすさから選択しました。
3.BigQuery API
データ管理を考慮し、APIを用いて毎日のデータ更新を自動化し、継続して使用できるようにするために採用しました。
自分の担当
私の主な担当は、Streamlitを用いたアプリケーションの実装でした。使用経験があまりなかったため、調査しながら進めることになりましたが、非常に興味深く取り組むことができました。
Streamlitでは、ボタンなどのウィジェットの値が変更されるたびに全てのコードが再実行される仕様になっています。このため、ボタンを使用するとページがリロードされ、データの読み込みと表示に時間がかかるという課題がありました。そこで、タブ機能を使用してアプリケーションの構造を整理し、必要な部分のみを表示するようにしました。このアプローチにより、データのロードが効率化され、動作の軽量化を図ることができました。
さらに、キャッシュ機能を併用することで、データの再読み込みを防ぎ、リロード時の速度をさらに向上させることが可能です。今回はタブ機能の実装に留まりましたが、今後はキャッシュ機能も活用し、パフォーマンスを最適化していきたいと考えています。
加えて、コールバック機能を活用することで、特定のウィジェットの操作時にのみ特定の処理を実行できるようになり、さらなるパフォーマンスの最適化が期待できます。制限がある中でもパフォーマンスを意識してより良いものを作成するために試行錯誤するのはとても面白い経験でした。今後もこの知識を活かし、さらなる挑戦を続けていきたいと思います。
エンタープライズ部署へのプレゼン
開発が完了した後、ビジネス側担当者に対してプレゼンテーションを行いました。ツールの機能を紹介し、実際のフィードバックをいただく中で、「すぐ使用したい」「業界ごとに商品の売れ行きが違うのが分かっていい」というような声をいただくことができました。特に「すぐ使用したい」という声は、ツールの実用性を裏付けるものであり、非常に励みになりました。
ラクスルについて
ラクスルは、印刷や広告など多岐にわたるサービスを提供する企業として知られています。 インターンを通じて、実際の業務プロセスや企業文化を肌で感じることができ、非常に貴重な経験となりました。特に、チームワークやコミュニケーションの重要性を再認識し、実践的なスキルを身につけることができました。
開発以外について
開発活動以外にも、懇親会や新卒の方とのランチ、メンターとの面談、成果発表会、振り返り会など、さまざまなイベントがありました。これらの活動を通じて、他のインターン生や社員との交流を深めることができ、幅広い視点から学ぶことができました。
面談
メンターとの2on1では、1日目に立てた個人目標について3日目までのフィードバックを受けました。ラクスルやキャリアについて聞きたいことを話すことができる貴重な時間でした。メンターからいただいた具体的なアドバイスは、今後のキャリアにおける考え方にとても参考になりました。 新卒の方とのランチ 実際にラクスルに入社されてからどのようなことをしているのか、率直な印象や経験談など、様々なことをお話しいただきました。とても勉強になることが多く、何より皆さん良い方々ばかりで、お話しするのがとても楽しかったです。
成果発表会
インターンの最後には、グループごとに開発したプロダクトを発表する成果発表会がありました。各チームのプレゼンテーションを聞くことで、他のプロジェクトからも多くの学びを得ることができました。
振り返り会
インターンの締めくくりとして、振り返り会が行われました。この会では、それぞれが初日に立てた個人目標を振り返り、5日間の経験を発表する形式で進行されました。参加者の発表を通じて、何を考え、何を得たのかを知ることができて面白かったです。また、担当していただいたメンターからのフィードバックもいただくことができ、5日間を主観的にも客観的にも振り返るとても良い機会となりました。
感想
今回のラクスルのインターンシップは、実践的なプロジェクトを通じて多くのことを学ぶ貴重な機会となりました。チームでの開発経験や、実際のビジネス課題に対してヒアリングから取り組むという経験は非常に貴重でした。また、メンターや他のインターン生との交流を通じて、多様な視点から物事を考える力を養うことができました。
インターンを通じて、自分の強みや改善点を再認識し、成長を実感できた5日間でした。短い期間の開発で完全なプロダクトの完成には至りませんでしたが、エンタープライズ部署からの具体的なフィードバックをいただけたことは本当に嬉しかったです。
ラクスルの皆さんの温かいサポートと充実したプログラムに感謝し、今後もこの経験を活かしてさらに成長していきたいと思います。