
はじめに
皆さん、こんにちは! ノバセルでプロダクトマネージャーをしている林です。 この記事では、私がノバセルで約3年間プロダクトマネージャー(PdM)として働いてきた中で感じた、「エンタープライズ向けSaaSのPdMをやる上での難しさと面白さ」についてお話したいと思います。
もしこの記事を読んで、ノバセルのプロダクト開発に少しでも興味を持っていただけたらとても嬉しいです。 「少しでも面白そうだな」と感じたら、ぜひ最後までお付き合いください!
そもそも、ノバセルが作っているプロダクトって何?
まず、「ノバセルってどんな会社なの?」「どんなプロダクトを作っているの?」という点を簡単に説明します。
ノバセルは、「マーケティングの民主化」というミッションを掲げ、"よりよいサービスが正しく成長する世界" を目指している会社です。 プロダクトとしては、これまで見えにくかったマーケティング効果の可視化・分析をサポートするツールを提供しています。
ノバセルが提供しているプロダクトの例としては、以下のようなものがあります。
無料のマーケティングトレンド調査ツールで、Webサイトの流入キーワードや広告出稿状況を分析し、競合のマーケティング戦略を把握できます。
市場全体のトレンドや競合の動向を把握することで、自社のマーケティング戦略立案や改善に役立てることができます。
テレビCMの効果測定に特化した分析ツールで、CMの視聴データとWebサイトのアクセスデータなどを統合し、広告効果を可視化します。
CM出稿による売上への貢献度を正確に把握することで、より効果的なマーケティング戦略の策定を支援します。
(実は、まだ表には出していない新規プロダクトも複数開発中です。 「マーケティング業界を変えたい」「よく分からないけど面白そう」と感じた方は、ぜひカジュアル面談などでお話ししましょう!)
これらのサービスを主に大企業のマーケティング組織をターゲットとして提供しております。
難しさ
エンタープライズ向けのSaaSプロダクト開発で最も難しいと感じるのは、「誰の課題を解決するのか」を見極めることです。
大企業のマーケティング組織には、様々なレイヤーの人が所属しています。
- 最終意思決定をするCMOや部長レイヤー
- 経営と現場を繋ぐミドルマネージャーレイヤー
- 実際の施策実行や分析で手を動かす現場レイヤー
各レイヤーで抱えている課題の粒度や内容は異なり、どのレイヤーの何の課題を解決するサービスを作るのかを見誤ると、プロダクトは上手く立ち上がりません。
また、ユーザーとの最適なインターフェースが必ずしもソフトウェアであるとは限りません。
例えば、マーケティングの効果分析のユースケースを考えてみましょう。 ソフトウェアというインターフェースでサービスを提供しようとすると、「いかにユーザーが分析しやすいダッシュボードを実現するか?」という発想になりがちです。 しかし、本当にユーザーが欲しいものは、「洗練された分析プロセス」ではなく「分析の結果得られるインサイト」であるはずです。
そう考えると、ソフトウェア上でユーザーに分析作業を「強いる」のではなく、分析は別の人が実施してユーザーにはインサイトだけを届ける方が望ましい場合もあります。 特に、大企業のマーケティング組織のニーズは複雑かつ多様なので、「画一化されたソフトウェア」だけでは対応しきれないことが多いです。 そのため、 「画一化されたソフトウェア(それがSaaSのスケーラビリティを支えるのですが)」ではなく「柔軟に対応出来る人」というインターフェイスは非常に重要です。
どこまでをソフトウェア化し、どこからを人を通して届けるかの線引きは非常に難しく、常に頭を悩ませます。 特に、「人」というインターフェースを多用すると、どうしても労働集約的になりスケーラビリティにとってネックになります。 しかし、最近のAI Agent/Agentic Workflowの技術革新により、「人のインターフェース = 労働集約的」という固定観念も崩れつつあります。 この流れの中で、「人とソフトウェアの最適な配分」も変化してきていると感じており、私も現在模索中です。
面白さ
一方で、「プロダクトの範囲を広く捉え、領域横断的に事業に関わることができる」のはPdMとして面白い点です。
先述の通り、大企業のマーケティング組織には、いわゆる「Webアプリケーションとしてのプロダクト」だけでは解決できない課題がたくさんあります。 そのため、PdMも「一般的なPdM像」にとらわれずに広く動く必要がありますし、ノバセルにはそれができる環境があります。 私自身も、スクラムのPOとしてエンジニアチームとプロダクト開発をしながら、顧客とのアポイントに出たり、アライアンス先との交渉の場に出たりしています。 これは、『プロダクトマネジメントのすべて』で言うところの「広義のプロダクト」作りに携わっているイメージです。

よく「PdMは何でも屋さん」という話がありますが、プロダクトの範囲が広いため何でもやる範囲も広く、そこが魅力です。
また、「自分自身で新しいスタンダードを作っていける」のも面白い点です。
AIの技術革新によって、サービス価値を届ける手段としての「人とソフトウェアの最適な組み合わせ」は大きな変曲点を迎えています。 特に大企業向けにプロダクトを提供する場合は、その組み合わせの適切さをシビアに求められます。 変化の真っただ中のため、どんなバランスが最適なのかは誰にも分からず、私自身も模索中です。 逆に言うと、自分自身で道を切り開けるということであり、その手触り感が大企業向けSaaS(というよりもノバセルで)PdMをやることの一番の面白さだと思います。
おわりに
この記事では、エンタープライズ向けSaaSのPdMの難しさと面白さについて、私の経験を基にお話しました。 最終的に「ノバセルでPdMをやる」ことの面白さになってしまいましたが(笑)、興味を思っていただけたら幸いです。
ノバセルではプロダクトマネージャーを募集しています!
ノバセルでは、今後もどんどんプロダクトを増やしていく予定で、絶賛PdM採用中です。 この記事を読んで興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、カジュアル面談からでも構わないので、ぜひお話しましょう!